分散型IDはWeb3へのパスポート(1)DIDに秘められた可能性
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分散型IDはWeb3へのパスポート(1)DIDに秘められた可能性

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1.はじめに

インターネットは私たちのアイデンティティを処理するレイヤーを持たずに作られました。そのため、デジタル・アイデンティティに関する問題はウェブサイトやアプリケーション側に追いやられてきました。このサイロ化されたアプローチはインターネット初期には適切だったかもしれませんが、何十億人もの人々がオンラインになっている現在、その欠点が明らかになってきました。ユーザー名とパスワードを利用するモデルは安全ではないということが繰り返し証明されているにもかかわらず、当たり前の概念として利用され続けています。ユーザーは平均70〜80個のパスワードを使い分けなければならず、その結果、ユーザー体験は明らかに劣るものとなっています。実際「Okta」、「1Password」、「Dashlane」など、企業や個人の断片的なアカウント管理を支援する数百万ドル規模のビジネスが立ち上げられています。最も重要な点は、ユーザーは自身のオンライン・アイデンティティを実際に所有しておらず、企業や中央集権的な組織から借りているという点です。そのため、ユーザーは自分のデジタル・アイデンティティがハッキングされたり、操作されたり、検閲されたり、あるいは単に失われるリスクに晒されてしまうのです。

経済的な移転機能を根本に埋め込んだWeb3の出現により、改めて堅牢なIDシステムの構築が重要視されるようになりました。分散型アイデンティティ(DIDまたは分散型ID)は、DeFi、NFT、DAOに比べて大いに見過ごされてきたトピックですが、私たちはこれをネイティブWeb3アプリケーションを可能にするための、重要な技術的構成要素とみなしています。もし私たちが柔軟で弾力性のある共有IDレイヤーを作成すれば、デザインに拡張性をもたらし、イノベーションのスピードを飛躍的に向上させられるでしょう。

このレポートでは、DIDの主要なコンセプトと現在のDIDエコシステムを高いレベルで紹介し、Web3におけるID基盤の構築最前線にある厳選したプロジェクトをより深く掘り下げていきます。

2.分散型アイデンティティ(DID)

W3CのDID仕様は広く受け入れられている標準規格であり、ID システムが異なるネットワークやプラットフォーム間で相互運用できることを保証しています。

DIDアーキテクチャの概要は以下の通り示されています。

  • DIDは誰かが所有し、直接制御できるインターネット上のアドレスである。

  • このアドレスはDIDに関連する情報を含む、接続されているDID文書の検索に使用できる。

  • DIDドキュメントには、サインイン、データ暗号化、通信などのユースケースを実現するための関連情報が含まれている。

  • デジタル署名などの暗号化証明により、エンティティはこれらの識別子に対する制御を証明することができる。

DIDアーキテクチャの基本構成要素

要するにDIDはアイデンティティのハブとして機能します。ユーザは自分のハブを制御するため、いつ、誰と、どのような条件で自分のデジタル・アイデンティティの要素を公開するかを決められます。またDID標準の採用が進めば、個人は単一のエコシステムやサイロ化されたアプローチに縛られることはありません。

DIDはユーザーにコントロール、セキュリティ、プライバシー、ポータビリティを提供します。

新たなユースケースを可能にするDID

パスポートによって政府は国民の身元確認が可能になり、運転免許証によって国民は道路に対する権利の主張が可能になり、大学の学位は修了証書を与えることが可能になるなど、アイデンティティは、物理的な世界においてで、社会がうまく機能するために不可欠です。

同様に、DIDは価値の高いインターネット上の経済活動を可能にします。以下では、DIDで解決できるであろう、現状のWeb3の問題点をいくつか取り上げています。

NFT - 信憑性とアイデンティティ

アーティストやクリエイターを悩ませる詐欺行為やコピーミント(他人のファイルで勝手にNFTを生成する行為)は後を絶ちません。例えば、Marvel's Super Hero Adventuresのデザイナー兼デジタルアーティストであるDerek Laufmanは、自分の作品が知らない間にRarible(NFTマーケットプレイス)でオークションにかけられているのを目撃しました。このような話はよくあることです。

アーティストを悩ませるNFTの詐欺行為

Source: Twitter

この問題を解決するのが強力なDIDインフラです。DIDを基盤に、デジタルまたは物理資産を表すNFTがクリエイターによって作成されたと証明するようにアプリケーションを構築できます。買い手と売り手はデジタルアート作品の出所を確認することも可能です。またDIDは、アーティストとそのコミュニティとのエンゲージメントを深めることにも役立ちます。例えば、NFTの所有者をコミュニティメンバーに限定する事で、利ざやを稼ごうとする人々による投機的な活動を制限させたり、限定のNFTコンテンツを一部の保有者だけに提供したりすることも可能です。

より広い意味では、NFTは分散型アイデンティティの1つの拠り所として機能する可能性があります。すでに多くのユーザーが、ユーザー名だけでなくNFTのプロジェクト名で自分のオンラインプレゼンスを認識しています。例えば、Manifoldの共同創設者である@richerdは、クリプトパンクを自分のアイデンティティとブランドとして認識しているため、彼の所有するクリプトパンクのNFTに対する950万ドルのオファーを断ったと説明しています。

オンライン・アイデンティティとしてのNFT

Source: Twitter (@richerd)

DeFiは次のフェーズへ

これまで担保融資はDeFi成長のバックボーンとして提供されてきました。しかし、暗号金融プロトコルは完全にトラストレスかつパーミッションレスであることを目指しているため、しばしば過剰な担保を要求されることがありました。

例えば、MakerDAOでETHによる借り入れを行うローンは、130〜170%の担保率を必要とします。これは昨年のDeFiの成長の原動力となりましたが、この担保条件が実際のユースケースに制限をかけてしまいました。借り手の大半がレバレッジをかけようとするクリプトトレーダーだったのです。ほとんどの人にとって借りたい理由は、必要なお金を持っていないという事だけでした。

担保条件を下げるか完全に取り除くことが、DeFiのマス市場定着の鍵になります。強力なDIDレイヤーを持つことで、「オンチェーン」でのクレジットスコア提供が可能になり、ユーザーはクレジットベースで融資を受けられるようになります。さらに、ユーザーは自分のクレジットスコアを直接管理できるため、借入/貸付をより上手に管理、調整できます。このようにして、DIDは分散型金融システムをさらに民主化する機会を提供できるのです。

さらに、金融アプリケーションに強力なIDレイヤーを持たせることで、他にも以下のような現在のDeFiの問題を解決することができます。

  • 実際の会員を認証し、ボットによるエアドロップの希釈の可能性を減らすことで、適切なトークンの分配へと改善する。 

  • DIDを使用してDeFiプールへのアクセスを制御することで、スパムやシビル攻撃を減らしたり、カウンターパーティを識別するためのコンプライアンスツールを提供することで、金融機関の参加を可能にする。

  • 互いに利益の得られる方法という信頼できる行動をとる参加者に光をあてることで、イーサリアムの暗い森を通るユーザーを導いていく。

分散型自律組織(DAO)

DAOはしばしば、投票、誘導、および優先順位の決定にトークン・ベースのガバナンスを使用します。これは一般的には理にかなっています。大量のトークン所有者は最もリスクを負っているのです。しかしそれは、アクティブな貢献者にもかかわらず多くの資本を持たない者を除外してしまったり、優先順位を下げてしまう可能性があるのです。またメンバーはDAO内で名声を築くことができますが、新しいコンテキストではゼロから信頼を築く必要があるかもしれません。

DIDは複数のDAOにまたがってユーザーの評判を保持することができます。あるDAOから別のDAOにクレデンシャル(実績)を移植することは、物理世界ですでに享受している評判の移動を反映していますので、アクティブな貢献者がゼロから始める事を防ぐことができます。さらに他のWeb3コンテキストは、Gitcoinへの参加、Mirrorへの出版、Radicleへのコード貢献などにより、DAOが適格な候補者を見つけるのにさらに役立つ可能性があります。

本レポートは全3回で構成されています。第2回・第3回目の記事は下記をご覧ください。

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投稿主体/著者:By Amber Group Research Team
翻訳:松本 和樹
編集:奥津 規矢
原文:Decentralized Identity: Passport to Web3

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