【第5回】過去のIEOにおける成功事例、失敗事例
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【第5回】過去のIEOにおける成功事例、失敗事例

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ここまで過去のIEOに関してその性質を他のトークンセールと比較して見てきました。今回はその中でもIEOをメインに絞り、そのグローバルでの成功及び、失敗事例を紹介していきましょう。

IEOにおける成功とは何か

まず重要な問題はIEOにおける成功は何を意味するかです。この問題は非常に大きな問題です。一つ考えられる安直な答えとしては、投資金額に対して大きなリターンを得られた場合でしょうか。
この場合を期待して、IEO銘柄を選定したり、実際に購入している方も多いのではないでしょうか。

ただ、これはあまりに安易な金銭的リターンを求めている例とも言えるのではないでしょうか。IEOを行うプロジェクト側の視点に立ってみましょう。

IEOを行うプロジェクト側は、あくまでIEOを一つの資金調達、プロジェクトにおける最初の通過儀礼として行うことが珍しくありません。

同じように比較するのは難しい観点もありますが、通常のスタートアップであれば、プロダクトを構築する際に必ず『採用』が必要になります。採用は即ち、会社が人件費を払うということを意味するので人件費を支払える会社の体力がないと、そもそも採用を行えないということになってしまいます。

ことIEOにおいても、IEOでの資金調達について目標額を売り切るかどうかが必ずしも重要なのではなく、そこでアーリーアダプターのユーザーを集め、そうしたユーザーに対してまずプロジェクトを知ってもらうこと、そしてプロダクトローンチ(発表)時にプロダクト/プロトコルを実際にユーザーとして利用してもらうことが重要になってきます。

そういった意味でIEOを行う術として考えておかねばならないのは、トークンの設計です。以下の観点に切り分けて見ていきましょう。

トークン設計からIEOを見極める為に必要な観点を探る

● トークンが用いられる経済圏

まず重要なことはトークンがどのシステム、ネットワーク上で何の為に作られているかです。○○マイニングなどというマーケティング用語を使われていたとしても、そのトークンは本質的には何なのか正確に理解をする観点が求められます。例えばトークン保持者はあくまでクーポンのように何かのトークンを持ち続けさせるものなのか、トークン保持者には直接的なDAO(自律分散型組織)のガバナンスとしての投票権が付与されるのかといった点です。

プロジェクト側から見た場合、トークン保持者に全てを任せてしまうことはプロジェクトを『アンコントローラブル』と呼べるような状況を作ってしまう可能性があり、初期にコミュニティ主導にすることには否定的なバイアスがかかってしまいます。そんな中でもちゃんとトークンホルダーが自主的に自治権を持っていくような設計を作っていくロードマップはあるでしょうか。そうした意識やフィロソフィーはプロジェクトから感じるでしょうか。このような観点が重要です。

● トークンの発行枚数と、割当

続いてお話をするのはトークンの発行枚数についてです。正直な話、発行枚数は何枚でも結構です。1億枚総数でも結構ですし、100万枚発行総数でも結構です。重要なことはこのIEOでの売出しが全体の何%分であって、また既に何%のトークンを投資家などに販売しているのかといった割合になります。

例えばそれぞれの割合が、以下の場合であったとします。

・チーム:20%
・適格投資家:20%(販売済)
・IEO売出し:5%
・マーケティング:20%
・コミュニティ保管:35%

この場合であれば、仮に5億円を集めるIEOであったとしても、IEOで売り出されるのは全体のたった5%でしかないことがわかります。また全体の20%(=IEO売出し予定分の4倍)は、既に適格投資家(プロ)に売却をされていることが伺えます。

このように一見、「5億円の資金調達に参加できるのか!」と思っても実際には既にその数倍のトークンが投資家に売却されている例があります。このような状況を冷静に分析することが重要です。

● 投資家のトークンのロック期間

更に重要なことは事前にプロ投資家と呼ばれる層が購入しているトークンがどの程度のべスティングが付随しているかどうかです。べスティングとは株式におけるロックアップを指しており、トークンを売却されないようにロックしておく方法を指します。

プロジェクトによってやり方が異なりますが、コミュニティに真摯なプロジェクトであればきちんと投資家分をスマートコントラクトでロックさせ、経過時間と共に自動的にその本来の持ち主のウォレットアドレスに配布するような挙動を行わせるシステムを採用します。

ここで重要なのは株式会社などでのロックアップなどと違い、トークンベースのプロジェクトではべスティングが短い場合が多く、半年や1年といったものも多く見られるのでそうした情報をIEOを行うプロジェクトのホワイトペーパーなどを確認し、正確に理解することが重要になってきます。

● プロトコル収益率

もう一つ重要な指標となるものがプロトコル収益率です。プロトコル収益率とはプロトコルがどの程度の利益をあげられるのか、といったもので、例えばプロトコル自体が自動的に徴収するFeeなどが常に高い収益率を保てる場合などがあります。

プロトコル収益率としては直近では、ブロックチェーンゲームのAxie Infinityのようなゲーム内で更に別のトークンを稼ぐことを奨励させる仕組みなどの設計が秀逸で、現在はこのようなモデルのプロトコル収益率が優れているといわれています。

● プロジェクト側が目指す、トークンの価値向上シナリオ

そして欠かせないのはプロジェクト側がどのようなシナリオをイメージしていて、そのトークンが使われる経済圏を構築していきたいかです。ここは創業者の発言、インタビューなどで語られることが多い点であり、プロジェクト側が構想しているイメージを掴んでおくことが重要です。特にトークンを用いたプロジェクトでは、エコシステムと呼ばれる生態系を作り上げていくことが多く、他のサービスやプロトコルなどにインテグレーションされることでより強固なエコシステムへと進化させていくことが可能です。

IEOにおける失敗シナリオ

それではIEOにおける成功とは何かを見てきたところで、IEOにおける失敗の可能性があがるパターンをいくつか列挙していきましょう。先程お伝えしたIEOの成功事例の裏返しなのでイメージしやすいかと思います。

● トークンの発行数や販売枚数のパーセンテージに根拠がない
● ユーザーがトークンを使わなくても成立するプロダクトを提供している
● 発行企業がコミュニティを大事にしていないことが伺える
● 事前にトークンが販売された投資家の持ち分にべスティングがついていない(またはべスティング期間が明かされていない)
● IEO前に急にマーケティングを始めている
● 他のプロジェクトなどとの提携が一切ない
● トークンの価格に寄った情報のみが随時提供されていく

このようなプロジェクトには危険信号がつくのではないでしょうか。

このように、IEOは単にお金を集めて終わるものではありません。IEO後にどのようなエコシステムが作り上げられるのかといった観点を、表に出ている正確な情報を元に想像しながら、その中身を正確に見ていく必要があります。

■本記事は、Fracton Ventures株式会社(https://fracton.ventures/)による寄稿記事となります。
■本記事はトークンの利用を推奨するものではなく、あくまでテクノロジーの視点から、イノベーションが起きている現場をお伝えする情報発信の趣旨で制作しております。
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