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【第3回】DeFiにおけるベーシックな考え方

前回、DeFiにおけるプロトコルとしてMakerDAO, Compound, Uniswapなどについて説明を行ってきました。

この際、DeFiにおいてはサービスがなぜプロトコルと呼ばれるのかについて説明をしてきました。それではいよいよDeFiの世界特有の考え方について説明をしていきましょう。
※この記事は投資勧誘を行うものでは一切なく、あくまで情報提供を行うものになります。

DeFiの世界の基本的な考え方

DeFiの世界においては、そもそも現実社会とは随分と勝手が異なります。例えば、現実社会ではクレジットカードにて決済を行う方法が存在し、そこでは直ぐに現金で支払うものではない為に発生する”与信”という枠が存在しています。稀にカード限度額まで使用したなどと聞いたりすることがあると思いますが、その与信枠です。このように現実社会では個人の返済能力などの状況を信用を与信という形で、一旦カード会社などが被ることによって手持ちの現金以上の決済を行うことが可能です。

またお金を借りる際は手持ち現金が少ない状態のユーザーに対して、今後の収入で返済可能な枠を見積もり、その枠内にて現金を貸し付けています。

ところがDeFiの世界は、そもそも他人を信頼しない社会です。これはDeFiに預け入れたり、資金を借りたりするユーザーに対して、そのユーザーがどのように返済を行うか、行いたいかといった意思や法定通貨の現預金などに関与せずに、DeFi内だけできちんと完済されるようなシステムを行う必要があります。

これにより原則的にDeFiではオーバーコラテラルという概念が用いられています。DeFiの世界におけるオーバーコラテラルとは、例えば10万円借りたければ、15万円分の暗号資産をスマートコントラクトにロックするようなことを指します。

一瞬ハテナマークが浮かぶ方も多いのではないでしょうか。このケースでしたら150%の余剰分を含めた担保を積む形ではじめて、暗号資産を借りることが叶うのです。この過剰担保をオーバーコラテラルと呼んでいます。つまりDeFiの世界では原則として、以下の式が成り立ちます。

担保の暗号資産 > 借りる暗号資産

なぜDeFiで暗号資産を借りるユーザーがいるのか

それでは、なぜDeFiのユーザーは暗号資産をDeFiで借りるのでしょうか。貸す側はシンプルに金利がもらえるという説明でわかりやすいと思います、各暗号資産取引所などで行っているレンディングがそれぞれすぐに枠が締め切りになってしまっている現状からも、暗号資産を持ち続けながらも売却する意思がない状態の間は貸すことで金利も手に入る、そんなレンディングが人気なのは言わずもがなでしょう。

しかし、借り手となると随分話が異なります。なぜなら借りる際には利息を払う必要があり、これがほとんどのDeFiでは変動金利です。ということはつまり貸し借りの需要によって急激に払う利息が上がる可能性があります。このような点はDeFi特有の仕組みの理解につながる、概念であり、実際にDeFiで暗号資産を借りたいというユーザーはリスクでもあります。

しかし、借りた暗号資産を運用するなどしてレンディング状態で金利をもらいながらも、運用収益 ー 支払う利息でもプラスを維持できるような運用戦略を立てられるユーザーがDeFiを通して暗号資産を借りているという、そのような形になっています。

DeFiの共通単位 "TVL” とは

DeFiの世界では専門の単位 "TVL” を使うことがあります。これは何でしょうか。DeFiというマーケットを調査・研究する際には頻出の単語です。TVLはTotal Value Lockedの略語で、スマートコントラクトにロックされた総資産額を指します。

TVL=Total Value Locked
(スマートコントラクトにロックされた総資産額)

例を挙げてみましょう。例えばブロックチェーンAの上にDeFiプロトコルが5個存在するとします。この時にそれぞれのDeFiプロトコルで担保として預けられた暗号資産、及び借りられた暗号資産それぞれを総数としてドルベースなどで総資産額として合算した計算結果になります。つまり2階建てや3階建てと呼ばれるような、原資産を担保に借りて、またそれを貸してなどとレバレッジの効いたDeFi取引を行っている場合はTVLは高くなる傾向があります。合わせて、このような取引は一般的にはリスクが非常に高くなる取引ですのでその点も併記しておきます。

2021年5月時点でのDeFiのTVL

実際のTVLを確認してみましょう。一般的なアナリティクスサイトとして使われている一つがDeFi Pulseというサイトです。このサイトでは複数のDeFiプロトコルを一覧して表示してくれている他、そのTVLの合計も簡単に確認をすることができます。

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【出典】DeFi Pulse https://defipulse.com/

このトップページ右上に出ているTotal Value Lockedの数字がまさにTVLです。記事執筆時点(2021年5月中旬)では$78.31B(8.53兆円相当)となっており、規模の大きさに驚いた人も多いのではないでしょうか。このTVLは一つの指数としてとても重要な数値です。しかし、先程お伝えしたように同一人物が暗号資産をスマートコントラクトにロックし、他の暗号資産を借りて、それを担保に、他の暗号資産を借りてなどすれば数値上は積み上がるものになります。

また、このTVLがEthereumから来ているのか、その他のパブリックブロックチェーンから来ているものなのか、そうした情報もきちんと見ていくことが必要です。特に最近ではEthereumと互換性のあるサイドチェーンとしてPolygon(旧名称:Matic)xDAI chain、またその他海外取引所が構築したブロックチェーン等が普及しつつあり、Ethereum以外のブロックチェーンにも少しずつ資金が流れている現状となっています。

暗号資産、ことDeFiの世界において重要なのはネットワーク・エフェクトネットワークの規模です。ユーザーがスマートコントラクトにロックする暗号資産が増えると、当然のように借り手の需要を喚起していく動きを起こすことに繋がりますし、借り手を見つける為に複雑なDeFiのストラテジーを1トランザクションで実行したりするような、借り手のニーズを増やす取り組みが連鎖的に進んでいく訳です。このようなDeFiならではの特性を抑えておくことが重要です。

最後に

いかがでしたでしょうか。DeFiにおけるTVLの重要性が一つわかったのではないでしょうか。これでDeFiマーケットのデータの見方の原則は理解ができたと思います。

次回はDeFi分野における開発者やスタートアップ(企業)の関与のあり方、事例について触れていきたいと思います。

是非、楽しみにお待ちください。

■本記事は、Fracton Ventures株式会社(https://fracton.ventures/)による寄稿記事となります。
■本記事はDeFiサービスの利用を推奨するものではなく、あくまでテクノロジーの視点から、イノベーションが起きている現場をお伝えする情報発信の趣旨で制作しております。
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